テレビゲームの展覧会 レベルX

必要な 事は みんな ファミコン に 教わった

2003年。今年はテレビゲームを愛する人々にとって忘れら
れない年となりました。1983年にファミリーコンピュータ
(通称ファミコン)が誕生して20年。
今年はいわば「テレビゲーム成人の年」として、喜ばしく
迎えられるはずでした。ところが5月31日、任天堂はファミ
コン本体の製造中止を発表しました。
成人すると同時の終焉。
ファミコン”という楽しげな名前を持つオモチャに、こんな
劇的な終わり方が待っているとは誰が予想したでしょうか。

2面の長い吊り橋のところがどうしてもクリアできなくて、
思わずパッドを投げつけたこと。
夜中に布団を頭からかぶってゴールドマンと戦ったこと。
ふっかつのじゅもんを書き間違えていて泣いたこと。
友達と集まって野球をすれば、必ずケンカになったこと。
何が9レベルデスなのか頭にきたこと。
時間を忘れて空箱を探しまわったこと。
どんどんHPが減って、赤くなったウィンドウにはらはら
しながら町にかけこんだこと。
空を飛び、海に潜り、仲間を助け、大地を駆け抜けた。
ファミコンと一緒にいろんなことをした。
人生で必要なことは、みんなファミコンに教わった。

東京都写真美術館は写真と映像の専門美術館として、これ
からも進化してゆくテレビゲームを「文化」として位置づ
け、社会的意義について考察します。
同時に今まであまり気にされることのなかったテレビゲー
ムの著作権についても探求します。
本展覧会は、現代日本の小史を語る意義のある展覧会とな
ることでしょう。

テレビゲームの展覧会 レベルX
2003/東京都写真美術館